ホーリー・モーターズ

自分は小説を書いたことがなかったし、だから小説家ではないし、そもそも小説家を書こうと思ったことが無かった。だから、昨年の「京急蒲田処女小説文藝大賞」にあたって、小説の執筆を依頼されたとき、小説を書くこと自体を題材とした小説を書いた。なぜなら、自分の内側から沸き上がる「書くべき主題」、というか一定以上の解像度を以って描くことができる主題が、技術的な問題から限定されていたからだ。技術的というと、文章の巧拙みたいだけれども、「世界観」というか、世界を観るポイントを設定する感じに近い。要するに、技術が無い場合、メタ的な構造にアクセスしてしまえば、作品として成立させやすいということなんだけど、それは同時に競争も激しいということでもあって、まぁいいか。

それで、レオス・カラックスの「ホーリー・モーターズ」を観た。映画をつくること、上映された映画を観ること、それ自体についてのあまりにも真っ向から挑んだ映画だった。ほとんど奇跡のような映画としか思えなくて、映画ということで言えばアピチャッポンの「ブンミおじさんの森」以来の衝撃。

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